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  4. この年に創業 ヒノキブン

第1部 明治前期/1890(明治23年)

その時、名古屋商人は

この年に創業 柄杓の製造から始まった建築会社・ヒノキブン

 柄杓は、神社で水を飲む時に使うものだが、その製造から始まった住宅会社がヒノキブンだ。

 酒井家の先祖は、信長の時代に長島の一向一揆でお寺と一緒に戦った。江戸時代は、代々、檜物屋文右衛門(ヒノキブンという社名の由来)を襲名して、家で柄杓を造っていた。そして、明治23年(1890)に現在地に工場を造り、経木・蓄電池の部品を製造し始めた。この時をもって創業としている。

 そして、三代目の清一の時代になると、今度は薄板(折箱)の仕事を始めた。全国を回り、釜山にもお客様がいたそうだ。戦時中は、滋賀県に疎開し、木材の航空機部品も作った。

 四代目の文雄は、戦後の混乱期に苦労しながらも逞しく生き抜いた。戦後職人がいないにもかかわらず、進駐軍向けに洋家具の木材加工を始めた。

 昭和30年代になると、スチール家具のカタログ販売が普及し始め、注文家具の仕事が減った。そんな頃、営業に出向いたのが大和ハウス工業だった。大和ハウス工業は、当時〝離れ〟であるミゼットハウスを売っていた。採算の厳しい仕事だったが、なんとかコストが合うようになると、今度はミゼットハウスが生産中止になった。自社に販売部門が無かったため、販売先を開拓したことが、現在のハウス部門の始まりだ。

 昭和40年代になると住宅の量産化の時代に入り、内装間仕切パネルの製造を同社が受注した。その後は、自治体の内装パネルの指定工場となり、主力事業となった。この仕事は公共工事の減少で撤退したが、現在はツーバイフォー住宅パネル製造部門に引き継がれている。

 現在の社長は酒井文和氏で、平成22年(2010)に六代目に就任した。若い社長が力を入れるのは、エコ住宅だ。

 本社は、名古屋市西区名西1‐16‐10。

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序文

第1部 明治前期

明治元年 龍馬暗殺
その時、名古屋商人は・・・
明治名古屋を彩る どえりゃー商人 伊藤祐昌(いとう呉服店)
この年に創業 峰澤鋼機
明治2年 版籍奉還
明治3年 四民平等
その時、名古屋商人は・・・
明治名古屋を彩る どえりゃー商人 九代目岡谷惣助真倖(岡谷鋼機)
明治4年 通貨単位が両から円へ
その時、名古屋商人は・・・
岡谷鋼機が会社を作って七宝焼を世界に売り込む
明治5年 新橋―横浜間に鉄道開通
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 北川組
この年に創業 鯛めし楼
明治6年 地租改正
明治7年 秋山好古が風呂焚きに
明治8年 北海道に屯田兵を置く
その時、名古屋商人は・・・
明治名古屋を彩る どえりゃー商人 四代目滝兵右衛門(タキヒヨー)
この年に創業 タナカふとんサービス
この年に創業 青雲クラウン
明治9年 武士が失業へ
明治10年 西南戦争起こる
その時、名古屋商人は・・・
本町のシンボル・長谷川時計を作る
この年に創業 一柳葬具總本店
明治11年 大久保利通暗殺
明治12年 コレラが大流行
明治13年 官営工場が民間へ払下げ
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 安藤七宝店
明治14年 緊縮財政始まる
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 岩間造園
この年に創業 松本義肢製作所
この年に創業 東郷製作所
明治15年 板垣退助暴漢に襲われる
明治16年 欧化を推進、鹿鳴館外交始まる
明治17年 自由民権活動が激化
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 村上化学
明治18年 伊藤博文、初代首相に
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 福谷
この年に創業 服部工業
明治19年 ノルマントン号事件起きる
明治20年 豊田佐吉、発明家として歩み出す
その時、名古屋商人は・・・
明治名古屋を彩る どえりゃー商人 林市兵衛
この年に創業 折兼
この年に創業 鶴弥
この年に創業 柴山コンサルタント
明治21年 正岡子規、ベースボールに夢中
その時、名古屋商人は・・・
明治名古屋を彩る どえりゃー商人 鈴木政吉
この年に創業 ニイミ産業
この年に創業 丸川製菓
明治22年 大日本帝国憲法発布
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 坂角総本舗
明治23年 教育勅語発布
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 ヒノキブン
この年に創業 笹徳印刷
この年に創業 ワシノ機械
明治24年 ロシア皇太子、斬られる
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 河田フェザー
明治25年 第二回総選挙で、政府が選挙妨害
明治26年 御木本幸吉、真珠養殖に成功
その時、名古屋商人は・・・
明治名古屋を彩る どえりゃー商人 奥田正香
この年に創業 西脇蒲團店

第2部 日清・日露戦争時代

第3部 明治後期

第4部 「旧町名」を語りながら