桂太郎といえば、内閣総理大臣まで務めた人だが、名古屋に縁が深い。陸軍第三師団長だった当時に、名古屋の女性をみそめ、妻にすることになった。
その妻とは、上前津の料亭香雪軒の娘の可那子だ。その香雪軒は、現中区大須4丁目12番地(現在の名古屋市獣医師会館付近)にあった。明治10年(1877)の開業で、八勝館と並ぶ料亭で、政財界の大物を乗せた二頭立ての馬車が毎夜のように止まった。
明治23年に、桂が陸軍第三師団長になった際に、中京財界の有志で大歓迎会が香雪軒で開かれた。その際に可那子をみそめた。
もっとも、桂は「英雄色を好む」という言葉通りで、女性関係も激しい方だった。最初の妻歌子との間に1男2女をもうけた。2番目の妻貞子との間に1男2女をもうけた。可那子は3番目の妻になるわけで、明治24年より事実婚し、明治31年には正式に結婚して、その間には2男1女ができた。
また、このほかに妾もいた。愛妾として知られる芸者・お鯉(安藤照)とは日露戦争中に山縣有朋の紹介で知り合った。病弱だった本妻可那子に代わり桂の世話をし、総理官邸に「お鯉の間」が設けられたり、日比谷焼き討ち事件では妾宅が襲撃の対象になったりした。
Copyright(c) 2013 (株)北見式賃金研究所/社会保険労務士法人北見事務所 All Rights Reserved
〒452-0805 愛知県名古屋市西区市場木町478番地
TEL 052-505-6237 FAX 052-505-6274