政財界の重要人物からご愛顧されているのが、地下鉄伏見駅近くの「鯛めし楼」だ。この店にいると、新聞にいつも出ているような著名人が次々に訪れる。
鯛めし楼というのは、その名の通り、鯛を中心にした魚料理の店である。鯛料理そのものは、大昔からあるが、同店の売り物は、鯛の身をほぐして、ご飯に乗せたもの。このような鯛めしは、作るのに手間がかかるので、出す店はほとんどないという。
創業者は鈴木六蔵で、鯛めし楼という屋号を買い取って開店した。戦前は、旧東海銀行の本店のあるブロックで、広小路に面した場所にあった。写真が残っていないので残念だが、木造2階建てで、閑所(狭い入り口)を通って入る風情のある店だったという。
この店を訪れた人は、戦前だと、伊藤次郎左衛門とか、岡谷とか、地元著名人が多かった。トヨタ自動車創業者の豊田喜一郎などもよく訪れていたとか。
特に伊藤次郎左衛門などは、チャルメラの屋台が下を通った際に、食事を道路から吊り上げてこっそり食べたという面白い逸話も残っている。
その建物は、残念ながら戦災で焼失した。戦後は3回も移転したが、昭和40年代に現住所(名古屋市中区錦2‐18‐32)になった。
現在の社長は四代目の鈴木晴視氏で、創業者のひ孫にあたる。五代目の鈴木雅詞氏も、後継者としての道を歩んでいる。
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